行政書士とは②

黒板行政書士

行政書士になったら、どのように仕事をしていくのでしょうか。
独立するのか、就職するのかなど、どんな勤務形態があるのかを詳しく紹介していきます。

これから行政書士になる方は、どのようなプランでどのような勤務形態を目指すのかを明確にしておくと、行政書士試験に合格後にスムーズに準備を進めていけると思います。
それぞれの生活スタイルや目標に合わせて適切な形態を選択することはとても重要です。
それでは、行政書士の形態を詳しく紹介していきます。

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行政書士の形態

行政書士といっても事業形態はさまざまです。

例えば、サラリーマンの方が行政書士資格を取って、副業的に開業するのと、サラリーマンを辞めて行政書士1本で開業するのとでは、目標とする収入も違います。
または、サラリーマン行政書士として、大きな行政書士事務所で働くのかによっても収入が違ってきます。
そこで、「行書のたまご」が調べた範囲で、各事業形態別にメリット、デメリットを具体的に説明していきます。

副業行政書士

定義

家計を支える収入ではなく、主となる収入は別にあるが、より、収入を上げるために副業として開業する行政書士。

サラリーマン

サラリーマンの方で安定収入はサラリーマンとして確保しており、行政書士の資格を生かして副業として開業している行政書士。

メリット

主な収入源は確保されているので、行政書士として成功するかどうかはあまり負担にならない。
たとえ、行政書士としての収入がなくても、生活には困らない。

デメリット

一般的なサラリーマンの場合、平日は行政書士の業務はできない。
行政書士の主力業務の許認可などはお客様の営業中に打合せ等があるため、サラリーマンの副業としては取り扱いづらい分野となる。
行政書士としての収入は期待できない。

年収予想

~10万円

解説(「行書のたまご」の考えです)

サラリーマンを続けながら行政書士として副業をする場合でも、行政書士として開業することになります。
ここで、一つ目のハードルがあります。

一つ目

それは、「会社が副業を認めているかどうか。」です。
最近の世の中の流れでは副業を認める方向に進んでいますが、まだまだ副業禁止の会社も多くあります。
そのほかにも、会社が行政書士として開業することを認める書類を提出する必要がありますし、行政書士は依頼を受けなければならないきまりもあります。
ただ、どこまで厳密に守らないといけないかは、各個人に任されているように思えます。

なんとか、一つ目のハードルを越えたとしても、二つ目のハードルがあります。

二つ目

それは、行政書士業務の勉強をどこでするかです。
毎日サラリーマンとして働いて、そこから空いた時間を活用して行政書士業務の勉強をしないといけません。
このときに、まだ、仕事の依頼が来ていないと思いますので、将来、来るかどうかもわからない仕事について勉強をしていく必要があります。
このあいまいさがかなり高いハードルになるのではないでしょうか。

そして、一番大きなハードルが待ち構えています。

三つ目

それは、行政書士業務を受任できるかどうかです。
かなり特殊な才能がない限り、副業で行政書士業務を受任することはむつかしいのではないでしょうか。
それは、仕事を依頼する側に立ってみるとすぐにわかります。

あなたが、許認可の依頼をする場合、平日サラリーマンをしている新人行政書士と、10年間専業で行政書士をしている方とを比べて、単純に金額が安いだけで、新人行政書士に依頼するでしょうか。許認可を依頼する理由は、自分でする時間がないか、早く確実に許認可を取りたいからではないでしょうか。
そうなると、副業で新人行政書士は無料でやりますっといっても、あなたは依頼しないはずです。

このように、副業行政書士で稼ぐことはとても難しいです。
恐らく、副業行政書士で続けていける人はもともと人脈があり、その人脈から行政書士の仕事の依頼を受けることができる人ではないかと思います。
「行書のたまご」はそのような人脈を持っている方はすごいと思います。
やはり、ビジネスは人脈が大切なのかなとつくづく思います。

主婦

日中の時間を有効活用したい主婦の方

メリット

空いた時間を有効に活用でき、平日の日中でも対応できるため、主婦の副業で行政書士をしていることがわかりにくい。

デメリット

行政書士の仕事が軌道に乗ると、家庭の事に十分手が回らない事がある。
急な対応があった場合、家庭の事との両立が難しい。
家族の協力が必須。

年収予想

~200万円

解説

ここでは主婦の方を想定しています。(主夫でもOK)
主婦の方であれば、毎月の収入は家族の収入があるので、生活面で困ることはないと思います。
主婦の方が行政書士を開業した場合、事前によく考えておかないといけない事があります。

それは、行政書士業が軌道に乗った場合、主婦を優先するのか、行政書士業を優先するのかという事です。
主婦の方であれば、はじめは副業という軽い気持ちではじめてみてもよいかもしれません。
ただし、会費や開業時の初期費用を無駄にしてもよいという方です。
主婦業がメインで行政書士業がサブという位置づけからスタートして、うまくいけば逆転させることができるかもしれません。

専業行政書士

定義

行政書士を本業とし、行政書士で得た収入で生活する方

雇われ行政書士

行政書士として、他人の開業行政書士の事務所に雇用される方

メリット

自分で開業するよりもリスクは少ない。
行政書士の業務を実務から勉強できる。

デメリット

収入が少ない。
雇用が不安定。
求人が少ない。

年収予想

10万~20万

解説

雇われ行政書士はサラリーマン同様に収入は比較的保障されているようですが、勤務年数があがってもなかなか収入は上がらないと思います。
その分、自分で開業する前に修行する意味でサラリーマン行政書士として勤務することができるのであれば、メリットは十分あると思います。
ただし、求人自体が多くなく、給料も少ないので、比較的若い方限定になるかもしれません。

行政書士(個人事業主)

行政書士の事業形態で一番多いパターンです。厳密にいうと副業も結局は個人事業主になるのでこのパターンですが、ここでは専業の行政書士について説明します。

メリット

行政書士業務が軌道にのればサラリーマンより多い収入が望める。

デメリット

行政書士業務を軌道に乗せることが難しい。

年収予想

10万~800万(ボリュームゾーンは200万程でなないかと勝手に予想)

解説

事業に成功すれば高い収入を得られる可能性がありますが、難易度は高いです。
行政書士として独立するのではなく、自分で何らかの会社を作って独立することとほぼ同じくらいの難易度だと思います。
そもそも、行政書士の資格があれば勝手に仕事が降ってくるわけではないので、営業活動がどれだけできるかによって収入に直接影響します。

まとめ

行政書士の資格をとってもすぐにお金になることはまずないと思います。
そんなにあまい世界ではないです。
そもそも、行政書士の業務は他の士業でもできることが多いです。
その隙間をくぐってビジネスを成功させないといけないので、ビジネス戦略、分野の選択、将来像を明確にしてから参入したほうが失敗するリスクを下げられると思います。

急がば回れです。

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